黒松内岳(740.0m)周辺は、日本のブナ分布の北限として知られる。また、道南や道央の山々の展望も素晴らしい。北海道南東海上を北上中の台風第15号の影響で北西風がやや強かったが、初秋の一日をゆったりと過ごした。参加者は記録的な38人。
国道5号線から道道9号線に入り、トイレがある広い駐車場で車の台数を絞り、8台で登山口に向かう林道に入る。登山口にはすでに車2台が停まっていた。それぞれの車が出やすいように配慮しながら、8台を駐車場に納める。準備を整え、リーダーから注意事項を聞く。
10時5分、登山開始。人数が多いため、先頭から最後尾までの出発時間が3~4分ずれる。
ブナやトドマツの林に付けられた急な登山道をゆっくりと進む。
急登が落ち着いた四合目付近から、一等三角点の昆布岳(1044.9m)が端正な頭を覗かせた。
この先の稜線には、昨年8月末の台風による東寄りの暴風で根こそぎ倒れたブナなどの大木が登山道に横たわっている。倒木を潜ったり、乗り越えたり、上を歩いたり…。
五合目付近で樹林がしばし途切れ、南西方向に長万部岳(972.6m)が全容を現した。
六合目付近にも倒木が多数あり、そのうちの一つには、乗り越えるための踏み台が付けられていた。コース整備の方のご配慮に感謝する。
ほぼ平らになった尾根を歩いて七合目に到着すると、その先に壁のように黒松内岳の頂上部が立ちはだかる。我が会の先頭グループが取り付いている。
ここまでに出会った花は、左上:ツルニンジン(ジイソブ)、右上:夏の名残のオトギリソウ、左下:アキノキリンソウ、右下:エゾシオガマ。
八合目付近から先の草付き急斜面は、コースが付け替えられたり丈夫な固定ロープが設置されたりして、かつてほど滑りやすく危険な道ではなくなったが、やはり慎重に登る。
急登を終えた頂上直下から、辿ってきたブナ林尾根と草付き斜面を振り返る。遠くに噴火湾(内浦湾)が見える。
草付き斜面で出会った花は、左上:エゾオヤマノリンドウ、右上:トウゲブキ、左下:ノコンギク、右下:ナガバキタアザミ(Y・Sさんのご教示による)。
12時10分、山頂に到着。頂上から、西方向に大平山(おびらやま、1190.7m)を望む(山頂部は雲の中)。
北東方向に幌別岳(892.4m)とニセコ連山(右奥)。画面の左は日本海。
東南東方向には写万部山(499.1m)。画面の奥は太平洋(噴火湾)。
昼食を摂ったあと、狭い頂上で2グループに分かれて集合写真を撮る。まず、我が会の綺麗どころ~その①。
綺麗どころ~その②。
12時40分、下山開始。滑りやすい急斜面を慎重に下る。部分的には間をあけて一人ずつ。
草付きから、東北東方向に羊蹄山(1898m)の裾が望めた(山頂部は雲の中)。
七合目の上から、南方向に美利河丸山(右、674.1m)と二股岳(左、568.7m)を望む。
下山路で出会った花や木の実生。左上:トモエシオガマ、右上:色付いてきたナナカマドの実、左下:ツルシキミ、右下:名前不明。
14時15分、下山終了。登山道は昨夏の台風による倒木が多かったが、歩きやすいようにかなり手が加えられていた。また、以前の登降で苦労した七合目から先の急なザレ道も、付け替えられたり補助ロープが設置されたりして安全度が向上されており、本当にありがたかった。林道から道道9号線の広い駐車場に戻って解散し、車ごとに「黒松内温泉ぶなの森」などで汗を流して帰途に就いた。