雄鉾岳(999.5m)は、北東面が大岸壁で構成され、八雲町内の国道5号線からもその特異な姿を指呼できる。明瞭な登山道はなく踏み跡程度のコースであったが、昨年に地元の「八雲ワンダーフォーゲル協会」によって整備され、難所のルンゼ(岩溝)の倒木もかなり処理されて幾分登りやすくなった。それでも、慎重な行動と十分な体力が求められることに変わりはない。参加者はゲストを含む11人。
日曜日で天気が良かったためか、雄鉾岳は札幌からのツアー登山者10人グループと二人組×2、単独行×2で賑わった。
05時20分ごろ八雲町役場に集合して、車3台に分乗。登山口を06時25分に出発。高度があって転落の危険もある小道を慎重に辿って、銀山沢に降りる。
すぐに銀山沢を左岸に渡る。メンバーを補助するMリーダー。
主に銀山沢の左岸(登りでは右側)を辿っていく。時々、沢に落ちる小さな尾根の末端を乗越すようにルートが付けられており、急な斜面にはロープが固定されている。
沢水が落ちる岩場に、盛りを過ぎたダイモンジソウが残っていた。
雄鉾沢に入る。崩落斜面で足元が不安定なルートを慎重に進む。
かつての「いっぷく峠」を過ぎたあたりから、朝日を浴びた雄鉾岳の堂々たる岸壁を望む。
歩きにくい雄鉾沢を更に詰める。
カナケ沢に入り、ブッシュ帯を進む。
カナケ沢上部から、眼前に迫ってきた岩壁を仰ぐ。
岩壁基部に沿ってトラバースして、いよいよルンゼに取り付く。ルンゼ内はかつてのような倒木の山はかなり除去されているが、滑りやすい箇所が多く、固定ロープを頼って高度を稼ぐ。
ルンゼを登りきると、一気に日本海も見渡せる海見平に飛び出す。
この先は、ルート途中から見上げた険しい様相からは想像がつかない、笹原の緩やかな登りとなる。
11時10分、頂上到着。先行した札幌からのツアー登山者10人グループと、途中で追い抜いて行った二人組が休んでいた。我々もやや強い風を避けて、昼食とする。北西方向に遊楽部岳(1,275.6m)の雄大な山塊を望む。
西北西方向には、登山道が廃道となった冷水岳(中、1,175m)と奥冷水岳(右、1,143m)。右手前は雄鉾岳の西峰(三角点がある本峰よりわずかに高いらしい)。
北東方向には、三角山(中、741.3m)と賀呂山(やや右、693.9m)の向こうに、八雲町八雲の中心部と噴火湾。
はるか東南東方向に、駒ヶ岳が望めた。左手前の三角峰は砂蘭部岳(984.1m)か。
北西側の足元に聳える「割れ岩」。
山頂で集合写真を撮り、11時45分に頂上を出発。
下山時、銀山沢左岸のルートにある「石橋」の上で思い思いのポーズで2枚。
16時ちょうど、明るいうちに登山口に到着。登り4時間45分、下り4時間15分のペースだった。下りは滑りやすいので慎重に足を運び、ロープ場も一人ずつ降りる箇所があるので、時間を要する。今回は朝早くから行動したことで、安全な下山を図ることができた。登山口近くの八雲温泉「おぼこ荘」で汗を流し、その場で解散した。