知内丸山(665.3m)は、知内町小谷石地区の北西に位置する。国土地理院の地形図には「丸山」と記されており、夏道は小谷石地区からのルートのみ。荒れていた上部は去る5月26日(土)、「函館マウンテンクラブ」さんによって笹刈りがされた(当会の数名もお手伝い)。この日の登山は、日本勤労者山岳連盟の所属会が一斉に行うクリーンハイクの一環として実施した。参加は31名。
小谷石地区の高台にある矢越山荘(旧・小谷石小学校の校舎を利用した登山者向けの施設)の前で注意事項を確認し、9時5分に出発。
車道を少し進んで右手の中ノ沢川を越え、針葉樹の人工林帯に付けられた急登を辿る。
針葉樹林帯にひっそりと咲くフタリシズカ。
傾斜が緩くなった尾根で、最初の休憩。
暫く登ると、「八面樹」と名付けられた大きな橅が現れる。
その少し上に、沢山の枝を広げた「百手観音」がある。この橅は、薪や木炭原料として地面から少し高い所で伐られ、そこから新しい芽が出て、伸びるとまた切られることを繰り返して、こんな形になったと思われる。「ひこばえ」と言うらしい。
C345m付近の平坦な「千畳敷」を過ぎると、「戻ろう坂」と名付けられた標高差210mほどの急斜面になる。
樹林帯からC500m付近で草付き斜面に変わると、主稜線は近い。麓は低い雲が垂れ込めて見通しが効かない。
霧の中から、春の名残りのエゾヤマツツジが現れた。
主稜線に上がったC560m付近で最後の休憩。ここも展望がなく、ハクサンチドリやチゴユリは花が終わっていた。
緩くなった登山道を少し進むと、脇にサルメンエビネが見られた。
11時25分、山頂に到着(登り2時間20分)。三週間前に設置された新しい標識が出迎えてくれた。
霧雨模様の山頂でランチタイムとする。
集合写真を撮るころ、空が少し明るくなってきた。12時ちょうど、頂上を後にする。
主稜線下の草付きに戻ると低い雲が切れて、麓の小谷石地区が望めた。
出発地点の矢越山荘と駐車場を望遠で。
東には端正な姿の
尖山(360.7m)。
小尾根を外れて樹林帯に降りる「鹿立」と名付けられた地点から、南西に
矢越岳(548.5m)。
岩場の上部あたりから、ミズナラ林の急な下りになる。
C345m付近の平坦な「千畳敷」に戻ると、一息入れたくなる。この辺りから下部は鹿による食害で、毒性があるワラビ、ハナヒリノキ、ユズリハ属以外は笹すらも生えていない。どこでも登山道のように見えるため、ルートテープに忠実に従って下らなければならない。
ゴール間近の車道脇で、キブシの実とカンボクの花を見かけた。
13時45分、矢越山荘に下山(下り1時間45分)して、回収したゴミを点検。可燃ゴミが約1kg、不燃ゴミが約2kgあった。
挨拶を済ませ、現地で解散。ゆっくり組は、知内町「こもれび温泉」で汗を流して帰宅した。皆さん、お疲れ様でした。