漁岳(いざりだけ、1,317.2m)は支笏湖の北西方向、札幌市(南区)・恵庭市・千歳市の三重境界点に聳える。夏道はないが、札幌市に近くて山頂からの展望が素晴らしいことから、残雪期に山スキーやスノーシュー、つぼ足で登る人が多い。今回は当クラブ2年振りの登山で、参加は11名(初登山は9名)。
前日の宿泊地を、05時35分に車3台で出発。雲がやや多く霞んでいたが、支笏湖北岸道路から樽前山(1,041m)が四角形、風不死岳(1,102.3m)は三角形の特徴的な姿を見せていた。
前方には端正な姿の恵庭岳(1,320m)と、右奥にたおやかな姿の漁岳。風が弱く、湖面は割合に穏やかだった。
恵庭岳頂上部の岩峰も姿を見せている。
漁川林道入口で、函館から未明に到着して仮眠を取っていたTtさんと合流。出発準備を整え、リーダーから注意事項を伝達したあと、07時10分に出発。
歩くうちに雲がすっかりとれて、爽やかな青空が広がってきた。漁岳の稜線一角を仰ぎながら、林道を約2.6km辿る。
1時間5分で冬道ルート取付地点に到着(08時15分)。これからの本格的な登りに備えて、装備の具合を点検する。
取付地点の樹木に冬季ルートの標識が付けられていた。ここを08時20分に出発。
冬季ルートを辿って高度を稼いでいくと、右手に青空を背景にした1175m前衛峰と本峰が望めた。
恵庭・千歳市境界尾根のC890台地に上がると、左手に恵庭岳が聳えている。二つの目立つ頂上岩峰が猫の耳のように見えることから、メンバーで勝手に「
エニャー岳」と名付けてみた。
C900付近の気持ち良い雪面を登る。
C920付近まで登ると、左下にオコタンペ湖が俯瞰できた。
恵庭岳の左向こう(支笏湖の北岸)に位置する紋別岳(865.6m)も望めた。
C1050付近を登る。空はますます青く、春山の雰囲気に満ちてくる。ただし、西南西の風がやや強い。
恵庭岳を振り返ると、その姿がいっそう立派に見えていた。
ルート脇にあった木の枯れ枝がハート型になっていたので、恵庭岳の頂上岩峰を覗き見るように撮ってみた。
進行方向左手に、漁岳から南に繋がる稜線上の小漁岳(1,235.1m)。
1175m前衛峰の南側山腹をトラバースして、本峰直下の最終コル(1,155m)に向かう。
最終コルから頂上まで、標高差160mほどの急登が待っている。25分ほどをかけて、ゆっくりと登り詰める。空の青と雪面の白が、辛さを和らげてくれる。
11時ちょうど、待望の山頂に到着。周囲の景色を眺め、個別に記念写真を撮り合った後、恒例の全体写真に納まる。最初の写真、向って左端・Atさんのピースサインに羊蹄山(1,898m)が挟まっている。2枚目写真、右端に無意根山(1,460.2m)、左から3人目・Yhさんの顔が羊蹄山と並んでいる。
山頂からの展望をどうぞ。先ず、南南西方向には、手前に小漁岳(1,235.1m)と左奥にホロホロ山(1,322.3m)・徳舜瞥山(1,309m)。
[以下3枚は、なぜかモノクロに…]西から北西には、左に羊蹄山(1,898m)、右に無意根山(1,460.2m)。
中央に羊蹄山と左端に尻別岳(1,107.3m)の「ノミの夫婦」の姿(ズーム)。
北には、中央奥に空沼岳(1,251m)。
やや強い西風を避けて、頂上の東側に少し下がって昼食とする。11時40分に下山開始。山頂下の大斜面は、三々五々にシリセードで豪快に下る。中には「三回転半」などの「高度テクニック」を披露するメンバーも…。
登りと同様に、1175m前衛峰の山腹をトラバースし、恵庭岳を望みながら下る。
下山途中、登りで「♡マークに納まった恵庭岳岩峰」を撮影した展望の良い地点で、恵庭岳や支笏湖などを背景にして、皆さんの満足顔を写真に収めた。
冬道ルート取付地点に13時10分着・15分発、林道入口には14時ちょうどに到着して下山終了。
支笏湖西岸のM温泉旅館で入浴し、八雲町中心部手前のキッチン&カフェで夕食を摂って帰宅した。
すっきりした青空と素晴らしい展望に恵まれて、初登頂の皆さんは大満足の様子であった。